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‘98年 O.K.コンピューター以降とサニーデイとの出会い

1998年、海外ロックシーンは祭りのあとのように沈滞化していました。この年は私も新譜はほとんど買わずに、主に過去にリリースされたアルバムを聴いていました。

そんな中、ある素晴らしい日本人バンドを発見します。当時、私は日本の音楽シーンには完全に愛想を尽かしていましたが、日本人に生まれた良かったと感謝したぐらいです。

グランジ終焉後の沈滞化したUSロック

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前回の記事でも話したとおり、私が洋楽を聴き始めたのは97年なので、ニルヴァーナを知った時は既にカート・コバーンはこの世を去っていました。ですので、私が洋楽にハマった当時のUSロックというのはグランジ以降のパンクでした。

ただ、パンクと言ってもSex PistolsやClashなどの怒りや反社会的な音楽ではなく、Offspring、Green Day、NOFXみたいな所謂、保守的且つ商業的なメロコアばかりで、日本でも結構流行りましたが、私は全く好きではありませんでした。

一方、ニルヴァーナとともグランジブームを牽引したバンドたちはどうなったかというと、98年にはPearl Jam、Sonic Youth、The Smashing Pumpkinsがそれぞれアルバムを出しましたが、どれも個人的にはイマイチでした。

この中でスマパンは今でも好きなバンドの1つですが、当時発売されたアルバム「Adore」はハードなエレキギターは鳴りを潜め、静かな曲が大半を占めています。こういったコンセプトのアルバムをよく「いい意味でファンを裏切った」みたいな言われ方をしますが、このアルバムに関してはガッカリしたファンが多かったと思いますし、私もその1人でした。

私がUKロックにハマっていた事もありますが、当時はリアルのUSロックにはあまり興味が持てませんでしたし、シーン自体もグランジ以降は沈滞化していたように思えます。

オアシスもレディオヘッドもいなかったUKロックシーン

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97年はオアシスの大成功を引き継ぐ形でRadiohead、Blur、Primal Scream、The Verve、Spiritualizedなどがそれぞれ期待を超える大作的なアルバムを出して(個人的に良かったのはRadioheadだけですが)、UKロックは大いに盛り上がりましたが、98年はこれといって話題となるようなアルバムが発売されることもなく、シーンは閑散としていました。

大物新人バンドも出てくることもなく、この年以降、UKロックはしばらく混迷期を迎える事になります。

ただ、当時私はオアシスやRadioheadの過去のアルバムを貪るように聞いていましたし、UKではありませんが先ほど話題に出たニルヴァーナやスマパンもこの頃知りましたので、UKロックシーンが盛り上がらなくても、過去にリリースされた良質なアルバムは沢山あったので個人的には十分でした。

そんな98年のUKロックシーンですが、個人的に唯一名作と言えるアルバムが発売されています。それはMansunの「SIX」というアルバムです。Mansunは既に解散しており、アルバムも3枚しか出していませんので、知らない人も多いかもしれませんが、90年代のUKロックアルバムでこれを名盤の1つにあげる人は意外に多いです。

Mansun自体クセがあるバンドですが、このアルバムは特に複雑怪奇なアルバムです。無鉄砲に飛び出す奇妙な音の切れ端、美しいメロディを突然ぶった斬る無茶なフレーズ、複雑で変則的な曲構成にネガティブなリリックは明らかに万人受けのアルバムではありません。実際、セールス的にはイマイチだったようですが、何回も聴いていると緻密なコントラクションが伝わってきてクセになります。

正直、「OKコンピューター」とちょっと似ている部分もあるような気もしますが、Mansunらしい内省的な世界観のあるアルバムに仕上がっています。捨て曲が全くないところもポイントです。

洋楽を聴くようになって知った日本人バンド

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洋楽を聴くようになってから、特にオリコンチャートを賑わしているような邦楽は全く興味が無くなりました。当時読んでいた雑誌も洋楽専門誌ばかりでしたが、そういった雑誌でも日本人バンドが紹介されている事が結構あって、そんな中で知ったのが「サニーデイサービス」です。

ただ、初めの印象は最悪でした。洋楽っぽい音を出すバンドなのかと思って、興味本位で買ったCDを聴いてみたら思いっきりアコギ中心のベタなオールド歌謡曲でした。「オヤジ世代の懐メロフォークソングじゃねーか!」と一度は落胆したのですが、せっかくお金を払って買ったCDだったので、仕方無しに受験勉強のBGMとして聴いていました。その結果、いつの間にかハマってしまった自分がいました(笑)

当時流行っていた邦楽はヴィジュアル系や前述したパンク・メロコアだったりしたのですが、どちらも日本人が海外ロックを変な形で解釈してしまった猿真似バンドばかりで、すぐに陳腐化するようなポップスばかりでした。

ちなみにポップ・ミュージックという言葉には色々定義があるみたいですが、私の中では商業的(お金目的)の大衆ウケの良い大量生産型の音楽だと解釈しています。昔流行った小室ファミリーとかが良い例です。

サニーデイサービスは上記ポップスとは明らかに一線を引いたサウンドを鳴らしたバンドでした。基本的にはフォークソングで昭和歌謡っぽい雰囲気があるので、私の第一印象みたいに「ただの懐メロじゃん」と感じる人も多いかもしれませんが、聞き込んでいくと良さが分かってきます。

特に曽我部恵一の甘くて透き通った声と時折UKっぽさも感じられるキャッチーなメロディラインが見事に調和していて、フォーク・ロックのフォーマットでありながらも様々なサウンド、曲調が楽しめて飽きが無いです。

あと、日本のバンドというのは今も昔も表面的な見た目やカッコ良さばかりにこだわり、音楽は二の次みたいなミュージシャン気取りの中身の無いバンドばかりで、ダサくてさぶいし、見ていてこっちが恥ずかしくなるような連中ばかりですが、サニーデイはそういった「あざとさ」みたいなのが一切なく、肩の力を抜いたありのままの飾らないスタイルは今も好感が持てます。

サニーデイは2000年に解散していますが、2008年に再結成して今も現役です。今年も「DANCE TO YOU」というアルバムを出しましたが、個人的には再結成後のアルバムの中では間違いなく最高傑作です。是非聞いてみて下さい。

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